「とんでもないわ!」のこと

このところ盛岡は雨が夜半にみぞれに変わったりと生憎のお天気。コロナの影響もあってか、街は閑散…。
でも、そんな日はポツりと来てくださったお客様と“愛とは?”などとじっくり語る良い機会でもあります。そんな夜のお話です。

一昨日、カランコロン♪とようやくドアが開くと女性がひとり。(実は鈴など付けていないのですが・笑)
なんでもお母様が先日のIBCラジオをお聴きになって私のお店の存在を知り「あんた行ってみたら?」と勧めたのだそうです。Tさんというその女性は「とんでもないわ!」の常連さんだったとのこと。
「とんでもないわ!」とは盛岡にあった老舗ゲイバーである。「あった」というのは…実は、昨年末にママが亡くなり閉店。

私も20年前に一度行ったことがあるのです。何故20年前とはっきり覚えているかと言うと、2000年に小学校卒業の時に埋めたタイムカプセルを開ける行事に参加する為、盛岡に来た日の夜に行ったから。
久々に会う小学校の同級生…。しかしながら、当時の記憶は曖昧だし、互いに風貌は見事に変わっているし、私は地元話と子育ての話に付いていけず、若干疎外感。
その時、ひさ子という同級生が声をかけてきた。「この後付き合って!ともゆき君(←私の本名)に紹介したい“ママ”がいるのよ。」と。
「なんて店?」と私。
「とんでもないわ!っていうお店なの。」
ゲイバー確定だわさ(笑)。
てな訳でひさ子に付いて行くことにしたのです。
ママは安奈さんといい、神奈川出身。女装でマッチョで歌の上手い方でした。

あれから20年(きみまろ風)。
今や盛岡にUターンした私ですが、先日引越した住まいの窓から「とんでもないわ!」が見えるのです。12月の中旬に内覧した時に気が付いて、「ママに挨拶に行かなきゃ。」と思っていたのだが、ちょうどその頃に亡くなられたのだそうです。

Tさんは、独りになりたい時に「とんでもないわ!」に行っていたのだとか。安奈ママが引き合わせてくれたんだな…と、しみじみ。
会話が進むとTさんも吹奏楽部出身で、なんと息子さんが私の母校盛岡三高の吹奏楽部のOB、更にその時の顧問が私のひとつ下の後輩だと判明。これはまた素敵な展開が待っているに違いありません。
帰り道「とんでもないわ!」の前で「Tさん来てくれたよ。ありがとう。」と安奈ママに報告。

それにしても、テレビ、新聞、ラジオにちょこっとずつではあるものの、出させていただいたお陰で新たな出逢いがございます。有り難いことです。

ところで、そのタイムカプセルを開ける行事の案内状は、当時渋谷の「ディオニソス」という私の店に届いたのですが、誰が所在を知っていたのか…未だに不明です。